結論:休職・復職を最終的に決めるのは会社
「休職・復職は誰が決めるのか」という点は、現場で誤解が生じやすいテーマです。
主治医が診断書を書いたから休職、産業医が復職を認めたから復職。
このように考えている方も少なくありません。
結論から言うと、休職や復職を最終的に決定するのは会社です。
主治医の診断書・産業医意見は「判断材料」である
主治医は、医学的な立場から「休養が必要」といった意見を診断書として示します。
実務上、主治医が休職の診断書を出した場合に休職となるケースが多いのは事実です。
しかし、これは主治医の診断書の内容を踏まえ、会社が安全配慮義務を考慮して休職を発令しているということであり、
主治医に休職の権限があるということではありません。
同様に、産業医面談を行い「休職が妥当」という産業医の意見が出たとしても、
その意見だけで自動的に休職が決まるわけではありません。
産業医の意見を参考にしながら、最終的に判断し、発令するのは会社です。
復職の判断も基本的な考え方は同じです。
主治医、産業医、本人のいずれかが単独で復職を決めるわけではなく、
最終的に復職を決定するのは会社です。
実務上は、
- 本人が主治医から復職可能の診断書をもらう
- 産業医面談を行う
- 産業医としても復職可能と判断する
- 会社が状況を踏まえて復職を決定する
という流れになることが多いですが、
1~3は判断材料を積み重ねている過程であり、決定主体はあくまで会社です。
そして、休職・復職制度の内容や運用は、基本的に就業規則に基づいており、その詳細は会社ごとに異なります。
休職の最長期間が6か月間の会社、期間が定められていない会社、休職中に給与の一部が支給される会社、復職時に産業医面談を義務付けている会社、など千差万別です。
産業医は「決める人」ではなく「助言する人」
このように、休職や復職に関する権限を持っているのは会社であり、
主治医や産業医が何かを「決定する」立場にあるわけではありません。
産業医の役割は、医学的知見から会社に助言を行うことです。
これは休職や復職だけに限ったことではありません。
たとえば、
- 職場巡視を行い、改善点について意見を述べる
- ストレスチェックの集団分析結果から意見を述べる
- 健康診断結果をもとに就業判定をする
これらはいずれも強制力を持つものではなく、会社への助言です。
その助言を参考にしながら、最終的に判断し、実行するのは会社です。
産業医は、休職・復職の判断を代行する存在ではなく、会社が安全で妥当な判断を行うための医学的パートナーです。
