⑥ 復職判断の実際 ―確認ポイントと復職スケジュール例―

実際の復職面談では、どのような点を確認しているのでしょうか。

復職面談で必ず確認している5つのポイント

私が復職面談を行う際には、次の5点を必ず確認しています。

  1. 睡眠リズム
  2. 食事
  3. 体力(例:散歩)
  4. 集中力(例:読書)
  5. 労働意欲

睡眠、食事、労働意欲が重要なのは想像がつくと思いますが、よく見落とされがちなのが、体力と集中力です。
どのような仕事であっても、体力や集中力は多かれ少なかれ必要になります。
たとえば、
力仕事が中心の従業員が、1時間の散歩で疲れ切ってしまう状態では、復職は難しいでしょう。
知的労働が中心の従業員が、1時間も集中して本を読めない状態では、復職は難しいと判断せざるを得ません。

「調子がいい日だけできる」では不十分

精神疾患の場合、ある程度の症状の波があるのは自然なことです。
しかし、調子の良い日だけ散歩ができる、読書ができる、睡眠リズムが整う、という状態では復職には不十分です。
調子が悪い状態であっても、一定の水準を保てているか
という点が重要になります。

そのため、私は復職判断の前に、
最低2週間程度、活動記録表をつけてもらうようにしています。
日々の生活を振り返ることで、安定性や再現性を確認するためです。

休職に至った原因への対策が不可欠

復職判断では、現在の状態だけでなく、
なぜ休職に至ったのかを本人や職場と一緒に振り返ることも欠かせません。

偶発的に精神疾患を発症したケースというのは、実際にはそれほど多くありません。
多かれ少なかれ、次のような要因が関与していることが多いと感じます。

  • パワハラまがいの言動をする上司
  • 顧客からのカスタマーハラスメント
  • 長時間労働
  • 業務や責任の偏り
  • 本人の発達特性

これらへの対策を行わず、
単に元の働き方に戻してしまうと、2回目の休職に至るリスクは高くなります。

復職スケジュールの一例

あくまで一例ですが、復職スケジュールを下記に示します。

  1. 主治医から「復職可能」の診断書が出る
  2. 産業医・人事労務との面談で就労可能と判断
  3. 約2週間:午前勤務
  4. 約2週間:6時間勤務
  5. 約1か月:フルタイム(残業なし)
  6. フルタイム(残業あり)

※並行して、休職に至った原因への対策を行う。
※2回目以降の復職の場合は、リワークデイケアの利用を勧めることもあります。

復職にあたって考慮すべき要素は多く、会社によっても、従業員によっても、最適な対応は大きく異なります。
画一的な基準ではなく、個々のケースに合わせた対応を行うことが、安定した復職につながると考えています。

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